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教頭note【アントレプレナーシップ(起業家精神)が注目される理由👀】

研修報告です。5月29日(水)、新潟県高等学校進路指導協議会の総会・研究協議会が開催されました。今回の講演では、早稲田大学教授の長谷川博和様が「アントレプレナーシップとキャリア教育」というテーマでお話しくださいました。

ここ2年ほどで「アントレプレナーシップ」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。「起業家精神?キャリア教育の発展版?専門高校と相性がいい?」等と考えていましたが、長谷川教授の講演を通じて、その定義や重要性について深く理解することができました。

「アントレプレナーシップの定義」
アントレプレナーシップとは、創造性や革新性を持って新しい価値を生み出す姿勢や行動を指します。これは、単に新しいビジネスを立ち上げることだけでなく、既存の組織内でも新たな挑戦をすることを含むそうです。

「ビジネスモデルの変化により必要とされるアントレプレナーシップ」
これまでの日本企業は「キャッチアップモデル」、つまり海外の大手・先行企業に追いつき追い越すことを目指してきました。しかし、今後は「イノベーションモデル」が重要になり、自社で新しいビジネスモデルを構築する能力とブランド力が鍵となります。1を2や3にするのではなく、0から1を生み出すことが求められるということです。

「個人に求められる能力の変化と探究学習」
ビジネスモデルの変化により、これまで日本人が発揮してきた「効率よく安く品質の良いものをつくる力」から、「他国や他企業がやっていることを見た上で、新しいことを創造する力」が求められるようになります。経済産業省の報告書によると、これまで重視されてきた真面目さや責任感に加え、問題発見力、予測革新性、意思決定力、情報収集能力、コンピュータスキル、そしてプレゼン能力などが重要になります。これは、高校での探究学習において、生徒が自ら課題を設定し、その解決方法を探る力と重なると感じました。また、0から1を生み出すための環境として、いつもの教室いつものメンバーではなく、自分のフィールド外の人材とつながる力についても言及されており、ICT活用が進む教育現場とアントレプレナーシップの親和性の高さも感じました。

「失敗を恐れずにチャレンジする重要性」
長谷川教授は、最後に「失敗を恐れずにチャレンジし続けることが大切」「出る杭を打たれても、自分の人生は自分で作るものだという自信を持つことが重要」「企業も、様々な(失敗)経験を積んだ人材を中途採用したがっている」とお話くださいました。挫折経験が強みになり得ると生徒たちに伝えていくことが重要だと感じました。

#日経COMEMO #NIKKEI

講演後半ではウエフル株式会社代表取締役 上松恵理子氏から、海外での取組、他県で行われている実践も紹介され、この精神がいかに現代社会で重要であるかを、参加者全員が実感する機会となりました。